『これは「本を読む人」のための本である。
「これから本を読みたい人」のための本でもある。
つまり、「読む」ことによって知識を得、理解を深め、
すぐれた読書家になりたいと思う人のために書かれた本である。』
本を読む本 (講談社学術文庫)
Mortimer J. Adler Charles Van Doren 外山 滋比古

■内容紹介(amazonより)
本書は、1940年米国で刊行されて以来、世界各国で翻訳され読みつがれてきた。読むに値する良書とは何か、読書の本来の意味とは何かを考え、知的かつ実際的な読書の技術をわかりやすく解説している。初級読書に始まり、点検読書や分析読書をへて、最終レベルにいたるまでの具体的な方法を示し、読者を積極的な読書へと導く。単なる読書技術にとどまることなく、自らを高めるための最高の手引書。
■目次は記事末に↓
■mmmの書評
あなたは読書が上手ですか?…と、あえて訊いてみる。
読書が上手い、下手だとはあまり使わない表現です。読書があまりにもパーソナルな行為であるために、果たして自分が上手か下手なのかについて、普通はあまり考える機会がないんですよね。速さと量以外に人と比べられる明白なものさしもないですし、みんながみんなそれぞれ自己流で読書をしてるのは、当然と言えば当然です。
で、これはその自己流の読書を見直すきっかけになる本。読書の技術と方法論、そして本と向き合う姿勢について指南した実践書です。
本書の主要なテーマはみっつ。
・読書を成功させるためには「積極的な読書」が必要である。積極的な読者であるために、私たちはいかに読むべきか。また理解し、考えるべきか。
・人生は有限で、本は無尽蔵にある。ある本が、読む価値のある良書かそうでないかを効率よく見極めるために私たちはどう読むべきか。
・読書は、ある本を読み、それを理解することが究極の目的でない。あるテーマに従って複数の本を理解し、それらには書かれていない自分なりの考えを導くことが本当の目的である。
…といったところでしょうか。これらについての方法論が極端なくらい体系的に整理され、またそれが理屈っぽい語り口調で語られるため、まるでお固い先生の講義を受けてるような感じです。読んでる最中には筆者に対して「面倒くさい人だな、この人」と思うこともちょくちょく。
ですが、本を楽しむのに理屈やらノウハウなんていらねえ、と放り出す勿れ。僕は昔からわりと本読みでしたが、数年前にこれを読んだのをきっかけにして長年の自己流読書スタイルにも変化があったのは事実です。
こうやってちょこちょこ書評を書いてるのも(書くこと自体じゃなくて考えることが目的だけど)、また以前は完全スルーで見向きもしなかった目次を、特に今回は手打ちしてまでここに載せてるのも、この本を読んだからこそです。
僕は今もこの本をときどき読み返しています。それは自分にはまだ本書が教えてくれる「理想の読書」が達成できていないから。やっぱり自分の好きなことに技術のレベルがあるなら上手くなりたいし、たまに読み返しては上達の方向を再確認します。
それぞれの自己流がまかり通る読書という行為に関して「上手いってのはこういうことだぜ」というものさしを与えてくれること。それが、この本自体が長い間「良書」とされてきたいちばんの理由です。
…あとこれ、ほとんど本を読まない人には向いてません。ある程度の読書習慣がある人で、「読書の上達が速読法ってのはなんか違うんじゃねえの?」とか感じる人向きですかね。もしそうならおすすめします。
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ま、読書は楽しけりゃいいってのも、じゅうぶんアリですけれど。
■「本を読む本」目次
日本の読者の皆さんへ モーティマー・J・アドラー
第1部 読書の意味
1.読書技術と積極性積極的読書/読書の目的-知識のための読書と理解のための読書/「読む」ことは「学ぶ」ことである-「教わること」と「発見すること」の違い/教師のいる場合、いない場合2.読書のレベル
3.初級読書-読書の第一レベル読みかた学習の諸段階/段階とレベル/高等教育と読書4.点検読書-読書の第二レベル点検読書1-組織的な拾い読み、または下読み/点検読書2-表面読み/読書の速度/目の動き/「理解すること」5.意欲的な読者になるには積極読書への四つの質問/本を自分のものにするには/書き込みの方法/読書習慣を身につける/多くの規則から一つの習慣へ
第2部 分析読書-読書の第三レベル
6.本を分類する第3部 文学の読みかた分類の重要性/書名から何がわかるか/理論的な本と実践的な本/理論的な本の種類7.本を透視する構想とプロット-本の統一/アウトラインをつかむ/読む技術と書く技術/著者の意図を見つける/分析読書の第一段階8.著者と折り合いをつける著者の使う言葉に注意する/キー・ワードを見つける/専門用語と特殊な語彙/単語の意味をつかむ9.著者の伝えたいことは何か文および命題/キー・センテンスを見つける/命題を見つける/論証を見つける/著者の解決を検討する10.本を正しく批評する学ぶことの効用/修辞の役割/判断保留の重要性/けんか腰はよくない/反論を解消する11.著者に賛成するか、反論するか思い込みと判断/著者の主張は果たして妥当か/論証は、果たして完全と言える/分析読書の第三段階12.読書の補助手段「経験」の役割/他の本から手助けを得る/注釈書や抜粋参考書の使いかた/辞書の使いかた/百科事典の使いかた
13.小説、戯曲、詩の読みかた第4部 読書の最終目標文学を読むとき、してはならないこと/文学を読むための一般法則/小説の読みかた/戯曲の読みかた/叙情詩の読みかた
14.シントピカル読書-読書の第四レベル日本人の読書-訳者あとがきにかえてシントピカル読書における点検の役目/シントピカル読書の五つの段階/客観性はなぜ必要か/シントピカル読書の実例-進歩の観念について/シントピコンとその利用法/シントピカル読書の原理について/シントピカル読書のまとめ15.読書と精神の成長良書が与えてくれるもの/本のピラミッド/生きることと精神の成長
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