「実はね、ミッチ。いかに死ぬかを学べば、いかに生きるかも学べるんだよ」
普及版 モリー先生との火曜日
ミッチ・アルボム

■内容紹介(amazonより)
スポーツコラムニストとして活躍するミッチ・アルボムは、偶然テレビで大学時代の恩師の姿を見かける。モリー先生は、難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)に侵されていた。16年ぶりの再会。モリーは幸せそうだった。動かなくなった体で人とふれあうことを楽しんでいる。「憐れむより、君が抱えている問題を話してくれないか」モリーは、ミッチに毎週火曜日をくれた。死の床で行われる授業に教科書はない。テーマは「人生の意味」について。
■mmmの書評
ずばり良書。
読んでよかったなあ、な一冊なのは間違いないところです。が、ここはあえて「読んで」じゃなく「会えてよかった」と言いたい。誰に会えて? もちろんモリーに。まるで恩師を紹介するような気持ちで本書を紹介してみたい。「人生がうまくいかないって? 悩みごとがあるのなら一度モリーに会ってみたらどうだろう。きっと支えになると思うんだ」とか。
「モリー先生との火曜日」はすべて実話のノンフィクション(ですよね?)。売れっ子ライターの著者ミッチが、かつての恩師で現在は重病に冒されているモリーと16年ぶりに再会することから始まり、モリーに死が訪れるまでの数ヶ月間、毎週火曜日に約束された面会を繰り返すことで進んでいきます。
最期の講義のテーマは、ミッチがリストアップした「モリーに聞いておきたいこと」。愛、人と自分、家族、仕事とお金、社会と文化、老いの恐怖、許し、そして死。つまり、「人生とは?」。
言ってしまえば、よくあるテーマのよくあるストーリー。なのに本書がことさら胸に響く理由は、これが実話だってことももちろんあるんだけど、やっぱりモリー先生のお人柄に尽きるだろうと思います。羨ましくなるくらいに人生ってやつを愛しているんですよ、モリーは。最期のその瞬間まで。
さらに生徒役のミッチもとてもいい。学生時代の純粋さや夢を見失って、大人になった今は無自覚にビジネスと金とに翻弄されているミッチ。きっと同感の人も多いんでしょうが、「俺かと思った」。そんな彼が火曜日ごとに少しずつあの頃を取り戻していくのに合わせて、読み手である自分の気持ちも変わっていくのを感じながら講義は進んでいきます。
火曜日が来るたびにモリーの体がどんどん弱っていくこと、そして最後には亡くなってしまうことはもちろん悲しいんですが、本書を「泣ける一冊」と紹介するのはちょっと違うかと思います(泣いたか泣かなかったかと聞かれれば少し泣いたけど)。
これは、人生における大切なものをもういちど思い起こさせてくれる一冊。自分の人生を思いっきり愛するモリー先生の姿をどうして俺は羨ましくなんて思うんだろう、自分が同じように生きることができない理由なんて最初からまったくないはずなのに、と思わせてくれます。
つまり、人にも自分にも優しくなりたいと思わせてくれるんだ。「あなたにはそれができる」という証明と一緒に、与えてくれる。
生前のモリーが自ら決めた墓碑銘は、「死するまで教師たりき」。モリーとミッチとが毎週火曜日に講義を続けたのは、もっともっとたくさんの人に、モリーの考える人生の意味を伝えるため。そうやって「最期のレポート」である本書が書かれたおかげで世界中の数多くの人がモリー先生の教え子になったわけですが、遅ればせながらこのたびめでたく僕もそのひとりとなりました。
実際のモリーはもう亡くなったけど、今でもちゃんと生きてる。たとえば僕の本棚と、心の中なんかにも。
これは、おすすめです。
普及版 モリー先生との火曜日
ミッチ・アルボム

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一生のうち、かならず何度かは読むだろう。
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